Tuesday, August 28, 2012

製品デザイン特集 ~過去の関連記事から

 
製品デザインの重要性(そしてこの分野で日本企業が全般的に劣勢ではないかということ)は兼ねてより言われていますが、当ブログでは過去に何度も製品デザインについて取り上げています。
 
 
GMはなんと、中国でデザイン!?

2006 ベスト製品デザイン ~ かつて”マネシタ”と揶揄された松下の躍進
 
創造性の時代が来た! (デザイン戦略の重要性)
 
韓国企業は製品デザインでもリード?」 
 
 
 
 

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Saturday, July 07, 2007

任天堂”Wii”、成功への道のり

How the Wii is creaming the competition"
 
~ BUSINESS 2.0 Magazine Web Site / CNN Money.com
 
 
任天堂はゲーム機ビジネスで、ソニー、マイクロソフトの後塵を拝し、長く低迷の中にあったわけですが、ここ数年の間に、DS、Wiiというヒット作を連発して目覚しい復活を遂げてきています。前回の記事でも触れたように、「革新的な企業」ランキングに登場してきましたし、『スーパーマリオブラザーズ』、『ドンキーコング』、『ゼルダの伝説』といったヒット作品を生み出した同社のカリスマ、宮本茂氏は、先ごろTIME誌が選定した世界で最も影響力のある100人の中に選ばれました。また、同社の岩田聡社長も、以前から注目の若手経営者として脚光を浴びています。
 
この記事は、その任天堂が、どのようにしてDS、Wiiといったヒット作を世に送り出したかについて取材したものです。Wiiが出て既に時間も経ちましたが、今後、ビジネス書やビジネス・スクールのマーケティングのケースにもとり上げられそうなトピックです。かいつまんで、内容をご紹介しましょう。
 
 



 
 

任天堂がこの復活を遂げられた大きな要因の一つは、最大、最強の競合であるソニー、マイクロソフトと同じ土俵で真っ向から闘うことを避けることを選んだからですね。岩田氏、宮本氏ら同社の経営トップは、このままではゲーム市場は一向に広がらないと考え、従来のコアなゲーマー層以外へと利用者を広げられるような製品の提案を考えました。そのために、特に、長い間手付かずにしておかれたゲーム・コントローラーの形状や機能をどんなものにしてゆくかに、徹底的にこだわったようです。
 
こうした考えのもと、任天堂が5年前に最初に手がけ始めたのが、”DS”でした。幅広い層の人たちにとって使いやすいものになるように、従来のボタンによるコントロールだけでなく、タッチペンや音声認識なども盛り込みました。また、同じ理由で、永年親しまれてきた Game Boy の名とも訣別したのでした。
 
その間、宮本氏らは、”たまごっち”のようなペット育成シミュレーションゲーム、Nintendogs / ニンテンドッグ を導入し、これがヒットして女性層を開拓、さらに、Brain Age / 脳を鍛える大人のDSトレーニング が、ベビー・ブーマー層から一部シニア層まで取り込むことに成功し、DSはヒット商品となったのです。
 
 
この成功に続いて、任天堂の経営陣は、ワイアレスで、利用者の動きに合わせて反応するコントローラー ~ 革命的なユーザー・インターフェース ~ を採用したゲーム機を創り上げたいと考えていました。従来のコントローラーの発想を超越した革新的なアイデアでしたが、同時にここで考えたことは、強力なチップを用いて、画像の精細度、美しさをまでをも追い求めるかどうかということでした。結論は、既存のチップを用いることにしました。ソニーやマイクロソフトが覇を競うその同じディメンジョンからは離れて、一線を画すことにしたのです。このようにして、コード・ネーム Revolution (革命)と名づけられたプロジェクトが始まりました。
 
経営陣は、幅広いユーザー層を想定した製品の使い勝手のために、サイズやデザインのシンプルさに徹底的にこだわって議論を重ねたようです。
 
こうして出来上がった製品は、市場調査にかけられましたが、そこで得られた反応は、期待通りのもので、新しく取り込みたいと願った層も、容易に慣れて、楽しめそうだとの強い感触を得ました。
 
 
上市に際しては、テレビCM予算の70%を、25~49歳の層がよく見る番組に投下したそうです。また、高齢者が好む雑誌(Reader's Digestなど)にも広告を出稿。従来の任天堂のコア・ユーザー/ゲーマーには、インターネットによるアプローチを用いました。
 
さらに特筆すべきなのは、キラー・アプリケーションとなることが期待された”Wii Sports”を、$250の本体1台購入に対して無料で付けたことです。実はWiiは、本体1台あたり$50ほどの粗利を生んでいたので、このコストもそこでカバーすることだ出来たのです。そして、このことも、実は経営陣が最初から目指したもう一つの”目標”でした。
 
 
こうした結果、Wiiは大ヒット商品の仲間入りをし、今も(彼の地でも)品薄状態が継続しているようです。
 
 
 
任天堂は、ゲーム人口の拡大を考え、新たな層に訴求するための商品開発を始めました。こうすることで、”ゲーム”と一括りにしてしまえばそれまでですが、ソニー、マイクロソフトとの真っ向勝負を避け、異なった土俵で闘うことを選ぶことになりました。
 
しかも、従来、ゲーム機本体では赤字からせいぜいトントンで、ゲーム・ソフトのヒットに収益を依存するという業界のビジネス・モデルにも別れを告げていたわけです。
 
なぜ、あの会社は儲かるのか?』(山田英夫、山根節 日本経済新聞社)によれば、例えば、ソニーはプレイステーション2の本体1台を売るごとに、粗損が1~2万円程度出ると言われていたそうです。恐らくかつての任天堂も同様だったでしょう。それが、土俵を変えることによって、本体からも利益を生み出せるビジネス・モデルを構築していたわけですね。或いは、土俵を変えたからこそ、新しいビジネス・モデルを手に入れられたのでしょう。
 
 
今回、任天堂の岩田社長のインタビューをウェブ上で読みました。どんな風にお考えになってきたかがよく解りました。非常に明確なビジョンをお持ちになった、優れたリーダーでいらっしゃいますね。
 
 
さて、その任天堂さん、次の一手はどんなものになるんでしょうか? (その前に、長引く人気商品の品薄状態という事態を、どのように着地させるのかも見ものではないかと思っていますが。。。) 楽しみですね。
 
 

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Saturday, May 05, 2007

GMはなんと、中国でデザイン!?

Made in China
 
Fast Company official web site / Fast Company April 2007
 
 
トヨタの攻勢の前に後退に次ぐ後退を余儀なくされている感のある、しかし今でも世界最大の自動車メーカー、GM(ゼネラル・モータース)が、新型Buick LaCrosse (セダン)のデザインを、なんと中国のデザイン・センターで行っているという記事。
 
広大なる中国市場を意識しているとは言え、大胆極まりない試みです。それこそ、物真似、著作権侵害で悪名高いのに、オリジナルの、しかも世界を唸らせるデザインなど期待できるのか、というところですが、果たしてどうなりますか?
 
 
昨晩(5月4日(金))のテレビ東京系列ワールド・ビジネスサテライトでは、日本の商業デザインについて特集していました。グッドデザイン賞の審査委員長をされている内藤廣・東京大学大学院教授が、韓国を引き合いに出して、日本企業の(経営陣の)デザイン軽視の姿勢に、強い危機感を口にしておられたようです。(グッドデザイン賞主催者公式ウェブログ
 
 
当ブログでは、過去、商業デザインについてとり上げて、韓国企業の製品デザインへの注力へも着目しています。
 
2006 ベスト製品デザイン ~ かつて”マネシタ”と揶揄された松下の躍進」 2006年11月29日
 
韓国企業は製品デザインでもリード?」 2005年7月27日
 
 
コスト競争力を失った日本企業にとって、デザインは一つの有力な差別化への道だった筈なのに、それも険しいようです。ヨーロッパ企業にはなかなか追いつききれず、韓国企業の台頭を許し、中国企業までも相手にしなくてはならない日が近づいてるんでしょうか。
 
 

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Monday, April 23, 2007

CNN Money のサイトに、”Luxury Lifestyle”コーナー

CNNのビジネス向けサイト、CNN Moneyでは、そのCNNの親会社であるTime-Warnerが同じく傘下に収めている有力ビジネス誌、FORTUNEBUSINESS2.0Money等のコンテンツもカバーしています。そのCNN Moneyのサイトに、このほど”Luxury (Lifestyle)”のセクション/コーナーが登場しました。
 
中身は、”HOME (住宅・不動産)”、”AUTO (自動車)”、”GEARS & GADGETS (宝飾品、貴金属等)”、”TRAVEL (旅行・別荘)”の四つのカテゴリーに分かれています。
 
もちろん富裕層の人びとや、その富裕層をターゲットにしたビジネス(製品、サービス)を考えている企業・個人がターゲットなのでしょう。そして、富裕層(やその予備軍、間もなく富裕層)がアメリカ国内や西ヨーロッパのみならず、BRICsやVISTA、Next11など世界中に拡大する流れを反映していそうですね。
 
 
 
VISTA ・・・ ベトナム(Vietnam)、インドネシア(Indonesia)、南アフリカ(South Africa)、タイ(Thailand)、アルゼンチン(Argentine)
 
Next 11 ・・・ バングラデッシュ、エジプト、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム
 
 



 
 

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Wednesday, November 29, 2006

2006 ベスト製品デザイン ~ かつて”マネシタ”と揶揄された松下の躍進

The Best Product Design of 2006
 
Business Week online
 
 
Business Week誌が選ぶ、優れた製品デザイン2006年版では、日本の松下電器が躍進したようだ。金、銀、銅賞の獲得数が、デザイン・ファームと、それ以外の企業群(メーカーはこちらに含まれる)とでそれぞれランキングされているが、松下は金、銀、銅賞の合計が6点となり、”それ以外の企業”の中でトップとなった。それぞれ3点までにとどまった二位グループに大差をつけている。昨年(2005年)のリストでは、韓国のサムスンの躍進が著しく、昨年、このブログでもとり上げたが、今年は松下がさらにその上を行った。それでもサムスンは引き続き好成績で、その二位グループに入っている。(もう一社はアメリカのTimberland、靴やアウトドア・ウェアで有名) 中国のレノボも躍進し、アジア勢のプレゼンスがかつてなく高まった結果となったようだ。
 
松下に関する記事 ”Matsushita's Award-Winning New Look
 
松下の金賞は、洗濯乾燥機 Washing and Drying Machine NA-VR1000 
 
同じく銀賞は、冷蔵庫 Refrigerator NR-P550T と、監視カメラ Surveillance Dome Camera WV-CS954
 
これらはいずれも社内のデザイン・センター(Panasonic Design Company)の手によるもので、外部のデザイン・ファームの関与は無さそうで、その点で気合が入っている。ほんの数年前までは各事業部でバラバラにデザインを起こしていたそうだ。2002年に中村邦夫前社長がこのセンターを立ち上げた。中村氏による数々の改革の中の一つだったというわけだ。この中村前社長という方は比較的地味だが、非常に優れた経営者だと思う。
 
記事の中には、Panasonic Design Company長のToyoyuki Uematsu氏のインタビューもあり、その中で、中村前社長の功績についても触れられている。デザインの中に、ユニヴァーサル・デザインの要素と、環境への配慮などを盛り込むことを必須にしたそうだ。また、ソフトウェア開発の重要性や、事業部間のコミュニケーションで開発段階から部品や工程の共通化、デザイン・コンセプトの共有を促進することなどの重要性についても語っている。
 
 
今回、ソニーもハンディ・ビデオカメラで銅賞を取っているが、今回の松下は日本企業中では図抜けている。(企業自らの意思でエントリーしないと対象にならないようだが) この種のランキングならソニーが来そうなイメージだが、まだ改革の途上ということか。改革を概ね済ませてしまった松下との逆転した立場を示す、一つ象徴的なことととも言えよう。
 
 
いくつも素晴らしいデザインの製品がある中で、ちょっと面白い?とおもったのは、大リーグのミルウォーキー・ブリュワーズ(かつて野茂英雄投手も一時在籍)の依頼でデザイン・ファームらが制作した男性アスリート用プロテクターだ。”Nutty Buddy”(笑)というニックネームがついている。説明によれば、4つのサイズがあり、この”たった”4サイズでリトル・リーグの10歳の選手から、メジャー・リーガーまでが使えるとのこと。
 
 
ありがとうございます。
 
 

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Thursday, August 03, 2006

世界のブランド トップ100 (2006年版)

 
"The 100 Top Brands"
 
~ Business Week, August 7, 2006 p.60 -
 
 
昨年もご紹介したが、あれから1年経ったのかと思ったら、今年は1ヶ月早いようだ。それでも11ヶ月、日が経つのは早いなあ。。。
 
さて、今年のランキングをご紹介しよう。今回は、ちょっと忙しいので、Top10のランキングを中心に簡略版を。記事の要点、等々はまた別の機会に。(()内は前年の順位。)
 
 
1. (1) Coca-Cola
 
2. (2) Microsoft
 
3. (3) IBM
 
4. (4) GE
 
5. (5) Intel
 
6. (6) Nokia
 
7. (9) Toyota
 
8. (7) Disney
 
9. (8) McDonald's
 
10. (11) Merecedes-Benz
 
 
ご覧の通り、ほとんど変化が無い。トヨタが2ランク上昇した。(セクハラ訴訟や国内でのリコール問題など、らしからぬ失態を見せ始めた感じだが・・・) トヨタは、上級車ブランド/チャネル、Lexus(レクサス)も今回、初めてランクインした。(92位) 当時は、先行したホンダのAcuraに4~5年遅れての参入だったが、その後の成功は流石トヨタだ。(日本では苦戦しているようだが。これが解っていたから永らく日本には参入・展開させなかったのだろう。)
 
この他に、代表的な「躍進組」と「凋落組」も5社(5ブランド)づつピックアップされているが、「躍進組」の中には、Hyundai(現代自動車)が入っている。先日のワールドカップ・サッカーではオフィシャル・スポンサーとして、選手の移動用大型バスなどを提供していた。
 
「凋落組」には、Fordが入っている。昨日のニュースだったか、7月の米国新車販売台数で、遂に初めて、トヨタの後塵を拝した。ウォール・ストリート・ジャーナルあたりでも「歴史的な出来事」と論評したようだ。Hyundaiも躍進して、益々、ビッグ3は厳しい経営を強いられよう。
 
 
個人的には、上位15ブランドの中に、自分がかつて所属した3ブランドが入った。これらは、宣伝・広告が巧いとか、華々しいプロモーションを行っているとか、そういう企業ではない。それぞれ業種は異なるが、いずれも長い歴史があり、優れた経営を行って、特徴的・個性的な製品・サービスを提供している。こうして顧客の信頼を得続けることが優れたブランドというものの根幹ではないだろうか。
 
 
(昨年の記事は、こちら。)
 
 

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Tuesday, April 18, 2006

革新的アイデアを花開かせるには

”ideas that BLOOM”
 
~ BusinessWeek : Small Biz誌  SPRING 2006 p.46 - 53
 
 
当ブログでは”ビジネスにおける創造性”についてとり上げたことがある(”創造性の時代が来た!”)が、ビジネスにおいて、いかにして創造的、あるいは革新的なアイデアを発想するかは非常に重要なテーマである。もちろん、最終的には、如何にしてそのアイデアを”実施”にまで持ってゆくかが重要になるものの、まずは創造的、または革新的なアイデアが次々と生まれるような状態を、というのは、多くの人に共通する願いではなかろうか。(かくいう、私もその一人であり、だからこそ、ここでとり上げる頻度も高いのであって・・・)
 
 
アメリカの有力ビジネス誌『Business Week』からスピンアウトした『Business Week : Small Biz』誌のSPRING 2006号には、新しい事業を始めるための、そして組織を成長させるための”革新的な”アイデアをいかにして生むかを特集記事としている。タイトルが示す通り、雑誌が扱うのは主にスタートアップ企業、中小企業の関心事であり、この特集記事もそうした企業の視点から書かれている。
 
例えば、記事では、”お茶”というありふれた商品を新しい切り口で扱い始めて成長しているアメリカ(カリフォルニア州オークランド)のスタートアップ企業の取り組み事例などをとり上げている。(革新的な製品戦略に加え、それを支えるオフィス環境への工夫や、全社員を巻き込む努力、等々)
 
 
また、あのIDEO社のCEO、トム・ケリー氏ら専門家によるアドバイスも載っている。当たり前、と言えそうなことも多いのだが(そして、当たり前のことがなかなか出来ないのかもしれないが)、幾つか目についたものをご紹介しよう。(IDEO社についても、当ブログ”創造性の時代が来た!”等で何度か触れている。)
 
”あなたが変わっていること、人と違うことを大事にしよう。革新とは、人とは異なっているということだ。” (Dev Patnaik氏)
 
”デジャ・ヴュならぬ、その反対、ヴュジャ・デを大切にしよう。すなわち、慣れ親しんだものごとを、できるだけ初めて見るようにして見る事。” (Tom Kelly氏) なお、ヴュジャ・デは、氏の造語のようだ。
 
”証明してみせろ、という言葉を禁句にしよう。アイデアが生まれた初期の段階では、なかなかその革新性を証明しにくいことも多い。” (Roger Martin氏)
 
”製品の、そのさらに向こう側に目を向けよう。革新には様々な形態があって、それは必ずしも製品そのものに関するものだけではない。(例:他社との販売提携、等)” (John Pipino氏)
 
 
最後に、ご参考に、記事中に上げられた8冊の推薦書を挙げておく。(邦訳済みのものも有り。) 同誌による推薦の一言も併せて。
 
1. 『The ten faces of innovation』 by Tom Kelley & Jonathan Littman
 
- A practical guide, outlining how different players can spur innovation in a company
 
2. 『The design of everyday things』 by Donald A. Norman
 
- A classic for anyone who cares about design and marketing strategies
 
3. 『Orbiting the giant hairball』 by Gordon MacKenzie
 
- A funny and incisive look at the perils of corporate thinking and how to rise above it.
 
4. 『Ten rules for strategic innovators』 by Vijay Govindarajan & Chris Trimble
 
- How to build an innovative new business without destroying the one you've got.
 
5. 『The art of innovation』 by Tom Kelly & Jonathan Littman
 
- A smart and helpful road map to building an innovative culture.
 
6. 『Blue ocean strategy』 by W. Chan Kim & Renee Mauborgne
 
- A compelling look at the benefits of getting away from the crowd and focusing on untapped markets.
 
7. 『The Medici effect』 by Frans Johansson
 
- A former software CEO looks at how to spark innovation through the intersection of disciplines and cultures.
 
8. 『Harvard Business Review on Innovation』 Clayton M. Christensen et al.
 
- A concise introduction to some of the top thinking in innovation.
 
 
上記4.の邦訳
 
発想する会社!- 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』 早川書房
 
上記6.の邦訳
 
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』 ランダムハウス講談社
 
上記7.の邦訳
 
メディチ・インパクト』 ランダムハウス講談社
 
 
記事中の事例やコメントに共通するのは、自由(な発想)を束縛する固定観念や既成概念、ルール、枠組みから解き放たれること、そしてそのための仕組みや環境を意識的に作り出すことが重要だ、ということだ。自分では自由に考えている、と思っていても、案外、無意識のうちに古い価値観に縛られていたりするのでなかなか始末が悪い。常にその点を意識して、見えない何かに縛り付けられていないかチェックしながら考えるということだ。
 
企業人向けの発想のためのトレーニングなども様々あり、企業勤務時代は教育研修で幾つか受けた記憶もあるが、印象としては全体に手法が込み入っていて、それに見合う効果があるのか、という点で疑問を感じさせられた。むしろ、上述の書籍を参考にするとか、同じく上記の専門家のアドバイスなど(ここではほんの一部しかご紹介しきれなかったが)を常に確認するように心がけることなどは、手軽で良さそうだ。また、物理的な環境作りなどにも出来るだけ工夫したい。
 
 

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Thursday, October 20, 2005

ミシェル・ウィー : スター誕生(?)

 
"Wie will rock you" 
 
~ FORTUNE Vol.152 No.7 October 17, 2005 p.42-
 
 
ミシェル・ウィー(Michelle Wie)は去る10月11日に16歳となり、同時にプロ・ゴルファーとしてのキャリアを歩み始めた。既に大手・老舗マネジメント事務所と契約し、世界的な企業をスポンサーとして得た。彼女への期待は日に日に高まるばかりだが、彼女の戦績はアマチュアとしてもまだそれほど際立ったものではなく、話題先行の彼女に対しては風当たりも強い。実際、プロ初戦も失格という失態だった。さあ、ミシェルは名実ともに真のスーパー・スターの座へと辿りつけるのか???
 
 
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韓国出身の両親のものに生まれたミシェルは、子供の頃、幾つものスポーツを経験させられた。サッカー、ソフトボール、テニス、そしてゴルフ。その中から適性が見られないものをどんどん止めていって、最後の残ったのは二つ。一つはテニスで、そのストロークは素晴らしかったが、致命的だったのは彼女が走り回るのを嫌ったことだった。一方のゴルフでは、7歳になる頃には、ドライバーで途轍もない飛距離を出していた。
 
ミシェル一家は三人でハワイに住んでいる。三人は非常に仲が良い。両親は彼女がどこに行くのにも同行する。ホームコース、Ko Olinaでの練習は勿論だ。両親は学業も重視していて、あと2年で高校を卒業した後には必ず大学へ行かせるという。8年かかってでも卒業させる、と。本人の第一希望は、スタンフォードだそうだ。
 
ゴルフはもともと、母親がしていた。大学教授の父親も、妻、すなわちミシェルの母から習った。いまは、超有名コーチ(レッスンプロ)であるデイビッド・レッドベターからの指導も受けている。(レッドベターのクライアントには、男子のトップ・プレイヤー、アーニー・エルスもいる。) レッドベターは彼女を優れたアスリートとして絶賛している。
  
現在の飛距離は、既に殆どの女子プロを凌駕する。が、彼女の目標は、女子プロNo.1ではない。なんと、プロゴルファーNo.1である。男子と女子の両ツアーに出る。ライヴァルは、タイガーである。だから距離を伸ばすために、レッドベターとスイングの改造にも取り組んでいる。
 
もう一つはショートゲーム(アプローチやパッティング)。メンタルが大きく左右するこのショートゲームの精度を上げるために、心理カウンセラー(ジム・レーヤー : Jim Loehr)とも契約した。彼のクライアントには男子プロのニック・ファルド(全英オープン、マスターズ優勝者)もいるし、海軍特殊部隊(ネイヴィー・シールズ)やFBIのエージェント、また超優良企業のトップらも含まれる。
 
今夏のJohn Deere Classic トーナメント。この男子のトーナメントにミシェルは出場した。その結果、通常の年であれば、何試合もあるツアーのうちの一つでしかないこの試合が、今年は注目を集めて特別なものになった。(このトーナメントの収益は、ミシェル効果で、40%も増え、TVの視聴者数も前年比54%増となった。)
 
この試合、彼女は2日目終盤まで4アンダーで、予選通過(女子が男子ツアーで予選通過すれば60年振り、あのアニカ・ソレンスタムも出来なかった)も目前だった。14番まで来て、残り4ホール、パープレーであれば予選通過となる。が、15番ロングホールで彼女は攻めた。バーディーを獲りに行き、セカンドショットでグリーンを狙った。彼女は勝ちに行ったのだった。
 
しかし、この挑戦は裏目に出て、結局、このホール、ボギーとした。これが祟って予選通過はならなかったが、彼女は、偉大なるチャンピオンの資質を備えていることを証明してみせたようだった。
 
彼女にはスター性がある。優秀なアスリートであり、若く、美しく、そして何よりも、近づきやすい。彼女が出場すれば、大勢の少年少女とその(若い)両親らがギャラリーにつく。従来のゴルフトーナメントの典型的なギャラリー像と大きく異なる。マーケティング担当者にとっては垂涎の的だ。
 
このニュー・スターを企業は放っておかない。彼女は、ウイリアム・モリス・エージェンシー(William Morris Agency)という老舗マネジメント会社と契約した。スポーツ選手は、プロ・ゴルファーも含め、圧倒的にIMG社を選択する。タイガー・ウッズも女子の第一人者アニカ・ソレンスタムもIMGだ。(F1のマイケル・シューマッハも) だが、彼女は、ウイリアム・モリスには他にメジャーなゴルファーがいないことに着目した。創業106年の同社は数々の映画・TVスターを生み育ててきた。一人っ子の自分は“エクスクルーシブ”であることが好き、なのだそうだ。ある意味で、自らの効果的な売り方を知っている。
 
プロ転向に合わせて、ナイキ社と5年、500万ドル+インセンティブの契約を纏め、また、ソニーとも契約した。ソニーの出井氏は早速、彼女とラウンドしたそうだ。(ちなみに、彼女が稼ぐお金は、彼女が18歳になるまでは本人も含め誰一人一切タッチできないように設定される信託に入れられるという。)
 
また、専属のスタイリストが、ファッションとヘアメイクをケアする。試合中も、典型的なゴルフウエアではなくて、もっと“エッジの効いた”ウエアを身に纏う。今、ナイキには、カウボーイ・ブーツ型のゴルフ・シューズを開発させているとか。素顔はやはり16歳の少女だ。ブラッド・ピットやジョニー・デップに憧れる。
 
こうした世間の注目と同時に、まだ実績の無いアマチュアに対し、話題性だけで、簡単に出場の門戸を開いた主催者らの姿勢には、プロ選手の間から多くの不満の声もあがった。彼女はそうした雑音もそれほど意に介さないようだが、何時までも成績が上がらないようだと、そのいう訳には行かなくなるだろう。兎にも角にも、彼女は、試合で勝って、自らが本物であることを証明してみせなくてはならない。スポーツ選手にとっては、勝利以外に生き残る道はない。
 
 
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我が国の宮里藍選手と、なんとだぶることか。ただ、少なくとも宮里藍選手はその殆どが日本国内ではあるが、その実力を証明してみせた。(南アで開催されたワールドカップでの活躍も素晴らしかったが)
 
日本でのゴルフ人気は長期低落にあったが、宮里藍選手や横峰さくら選手らの登場で、特に女子ゴルフは一躍人気スポーツになった。アメリカでも、男子に比べ、かなり人気の面で劣っていた女子ゴルフに、ミシェル・ウィーの登場により脚光が当たっている。(アメリカで女子トーナメントは、メジャー戦以外はあまりTV中継されていなかったはずだ。)
 
だが、期待されたミシェルのプロ第一戦は、最終的には失格という残念な結果に終わった。プロのトーナメントで、“失格”というのは異例である。ときどきあることはあるが、少ない。アンプレイヤブルの際にドロップした位置がグリーンに近づいてしまったので、本来ペナルティを払うべきだったところで、それを怠ったという。“近づいた”という認識が無かったのだろう。それもかなりまずいし、なにしろ、プロとして失格はかなり恥ずかしい。
 
実際、日本で見ている限り、そして際立った成績を残していないという事実からしても、どうしてそんなに騒がれるのか今一つピンと来ないのも確かだ。

今まで、アメリカ国内でアジア人(アジア系アメリカ人も含め)が人気を集めたとしても、それは非常に限定的だった。ただ、スポーツの世界では変化も見られるようになった。野球のイチロー、バスケットNBAの姚明(中国出身)など。彼らは、世界経済におけるアジアのプレゼンスの増大ともリンクしている。アメリカのプロ・スポーツ(MLB、NFL、NBA)はこのところ日本や中国でシーズン開幕戦やプレ・シーズン・ゲームを開催したり、市場開拓に余念が無い。ヨーロッパのF1グランプリも、中国・上海にまで進出した。
 
こうした時代背景の変化に加え、彼女には確かに強烈な何か、があるのだろう。スポンサー企業の側に立てば、彼女の後ろにも当然、アジア市場が広がっているが、彼女の場合、それ以上の大きな期待感が感じられる記事だ。
 
  
というわけで、大きな注目を集めながら屈辱の船出となった彼女は来月、日本で戦う。しかも男子のトーナメントである。それは、昨年までの鹿児島から今年から高知に舞台が移る『カシオ・ワールド・オープン』。11月になると欧米のツアーがほぼ終了するので、例年、この頃になると欧米で活躍する選手(で更に稼ぎたい選手)が日本に出稼ぎにくる。有力選手は招待される。その結果、賞金も高い試合が続く。カシオの前週の『ダンロップ・フェニックス』(@宮崎)にはタイガー・ウッズも来るようだ。
 
『カシオ・・・』はミシェルにとって、プロ入り後初の男子トーナメント参戦となるはずだ。そして日本初参戦。どんな試合を見せてくれるのか、興味は尽きない。ソニー(とナイキ)のお歴々も気が気ではないだろう。
 
なお、『カシオ・・・』、もちろんメイン・スポンサーはカシオ計算機で、放映権は今渦中のTBSが持っている。
 
 
また、来年には、アメリカ・ツアーに参戦する宮里藍選手との対決シーンも生まれるだろう。そうあって欲しいものだ。或いは、宮里選手が、ミシェルのような、あるいはミシェルを越えるスターになる可能性だってあるのだが。
 
 
ちなみに、記事によれば、ミシェルは韓国語に加え、日本語が話せるのだという。色々と話題が豊富、乞うご期待。
 
 
 
~ 最後までお読みいただき、ありがとうございます ~
 
 
 
 
 
 
 
”国際ビジネス情報 ☆☆☆英語ビジネス誌から☆☆☆” トップページ
 
 

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Friday, October 07, 2005

ブランド戦略としてのメーカー”直営店”

 
“Why some brands can stand alone”
 
~ BUSINESS 2.0, Volume 6, Number 9, October 2005  p.49-
 
 
 
メーカーが直営店を開設することの意味について論じた記事。ニューヨークの五番街やマディソン・アヴェニューにはこうした直営店が軒を並べるし、最近は東京・銀座や表参道などにも世界のブランドが集まりつつある。そして、ファッションやジュエリーだけではなく、アップルのようなブランドが直営店を出してきているのが最近の傾向と言えようか。
 
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- デジタル・ゲームの普及などの影響を受け苦戦していたデンマークのおもちゃメーカー、レゴ(LEGO)社では、“レゴ・ショップ”という直営店の開設によって事業を好転させた。現在、全米に18店舗を展開するレゴ・ストアには通常のおもちゃ店のような趣はなく、レゴだけが置かれている。子供達はそれを使って何時間も遊ぶことができ、その結果、レゴについて詳しく知るようになる。
 
- 1990年代後半、インターネットの成長と共に、メーカーはウエブ経由で顧客へ直販するようになるだろうと言われた。だが、実際はそうならず、ブランドが他と如何に違うかを訴えるには、現実世界で、どのように顧客と係わり合えるかが重要と再認識された。人は店に足を運ぶのが好きなのだ。
 
- レゴ・ショップのような直営店でなら、顧客は、ブランドとの密度の濃い“交流”が可能になる。ブランドにとってディスカウントストアや量販店における最大の課題は、数々の種々雑多なブランドの中で、いかにして自らを際立たせるかである。個々のブランドが確保できるスペースや店員の数は限られてくるからだ。
 
- 直営店は、製造メーカーに対し、自らのイメージを決め、行く末を決める力を与える。従業員教育も、販売価格(実売価格)の決定も、販促策の実施も、自分の手で出来るようになる。こうした認識の中、直営店の開設が進んでいる。直営店は、いまや成長戦略の一環である。アパレル業界だけ見ても、今年6月までの12ヶ月間の直営店舗での売上は対前年比5%増である。(一方、同期間のデパートにおける販売は-1%)
 
- 歴史を遡れば、コーチの成功例にあたる。ニューヨークで1941年に創業したこのバッグ・鞄メーカーは、最初の40年間、デパートへの卸売りだけに頼るビジネスを行っていたが、1981年、方向転換してマンハッタンのアッパーイーストに直営店第一号を開店した。この試みはリスクも伴った。というのは、数ブロック先には、同社の主要顧客であるブルーミングデールズ・デパート(Bloomingdale’s)があったからだ。しかし、コーチでは、直営店の最大のミッションを、コーチ・ブランドのアピールということに置いた。それが奏功し、結局、直営店開設後も、ブルーミングデールズでの販売は減らず、むしろ増加した。
 
- 同社は2000年の株式公開以降、毎年20店ほどを新規出店し、現在では195の直営店を構えている。(アウトレットを除く) 直営店では、デパートなどでは出来ないことを行っており、その際たるものは極めて豊富な商品点数だ。最も典型的な直営店では約650のアイテム(靴やスカーフ、iPod用のケースも)を取り揃える。現在、同社の売上の75%以上は、アメリカと日本の直営店からのものだ。
 
- 拡大・成長戦略としての新規出店が最も効果的に機能するのは、ブランドが新しいメッセージを強く訴えたいときだ。フランスのラコステが良い例だ。同社は、2002年にロバート・シーゲル氏がアメリカ法人のCEOに就任するまで、アメリカ市場で凋落の一途を辿っていた。そこで、氏はまず製品デザインを刷新し、続いて小売店舗に注力した。それまで全米にあった11店舗をリノベーションし、さらに25店を追加出店した。いずれも白を基調とした同様の店舗デザインを施した。さらに、それまでラコステ製品を販売していた250店(直営店以外)のうち、110店での販売を打ち切った。その結果、2002年から現在までに、アメリカにおける販売は8倍に増えた。
 
- また、アップルはそのアップル・ストアで、“他とは違う何か”、を提供した。それは、iPodであり、マックであり、その他諸々のアクセサリーであり、そして知識が豊富で自社製品に対して情熱的なスタッフが、深い説明を展開することだった。最も特筆すべき成功例の一つと言えるアップル・ストアは、同社の直近一年間の販売に、前年比で21億ドル(約2,200億円)を上乗せした。
 
- 忘れてはならないこともある。店舗を構えるといっても、物件の購入やリースには多大な費用がかかる。従業員の管理や万引き対策も重要だし、なにより店自体が流行らないということもありうる。また、直営店を開けば、その地の他の(従来の)販売店と競合する可能性がある。“チャネル・コンフリクト(channel conflict)”と呼ばれるこの問題は(アメリカで)アップル社のケースでも起きていて、訴訟沙汰にまで至っている。
 
- 流通販売の専門家は、このチャネル・コンフリクトを最重点課題として処理すべきだと言う。直営店の開設は決して従来の販売店に害を与えることはなく、双方にとって良い結果がもたらせるということを、あらゆるデータを集めて説くべきである。
 
- ラコステの直営店の成功は、デパートに対し、売り場の縮小ではなく、拡充を促した。ブルーミングデールズやメイシーズ(Macy’s)などの百貨店は、フロアの一角、ラコステのコーナーに、直営店と同じようなデザインを施して遇した。共存共栄は可能なのだ。
 
 
========================== 
 
確かに直営店を効果的に運営すれば、顧客とのインターアクションを実現しながら、そのブランドの持つ価値観・世界観、哲学などを直截的に紹介できる。まさにアップル・ストアはその好例と言えよう。
 
所謂、メーカーのアンテナ・ショップと言われてきたものに近いが、アンテナ・ショップは文字通りアンテナの役割、実験的・探索的な性格を帯びていたのに比べ、これはまさにメーカーの現在と近未来の”姿形”を体現する世界になり、成否が持つ意味は大きい。このことは、”フラッグシップ・ショップ”(旗艦店)という言葉にも象徴される。(と書いていたら、昨晩のワールド・ビジネス・サテライトで、今日、ユニクロが銀座にまさに旗艦店を出店する、と報道していた。そういえば、一昨日、中央通り沿いのいいところ、例の”鳩居堂”の並び、に銀色のビルを見たなあ)
 
 
なお、この記事には失敗例が二例挙げられている。一つはパソコンのゲイトウェイ、もう一つは、映画グッズ販売のワーナー・ブラザース・ストアだ。前者については記事中に簡単な分析がある(今回割愛)のだが、後者については無い。このワーナー・・・は、この雑誌”Business 2.0”と同じ親会社、タイム・ワーナー、だから矛先が鈍ったという感じか。ちなみにタイム・ワーナーはCNNも傘下に擁している。是非、ストアの失敗を分析しみせて欲しかった。
 
また、ヨーロッパの高級ブランドについては触れられていない。恐らくコーチよりかなり以前からあったことだろう。メーカーの直営店は、高級ブランドだけのものから、他との違いを訴えたい普及ブランドへとシフトしてきた。その辺りを記事にした形だ。
 
 
このところの流通、販売チャネルの変化は興味深い。既存の業態はどのように形を変え、またどんな新しい業態が生まれるだろうか。日本ではダイエーが大きく縮小し、その創業者も亡くなられた。残ったイトー・ヨーカドーやイオンも苦戦している。一方、伸びているのはアメリカ式のモールか? 先日のNHKの番組(スペシャル)では、イトーヨーカドーがより鈴木敏文会長の陣頭指揮のもと、より高価格帯の品を売る方向にシフトし始めた様子がリポートされていた。
 
カテゴリー・キラーとして一時注目を浴びた業態もかつての勢いは無い。百貨店も相変わらず苦戦している。私自身、幼い頃、両親に三越や高島屋、大丸といったデパートに連れて行ってもらうのがとても楽しみだった。当時ほどではないが、今でも好きなことだ。以前、百貨店(デパート)は、それ自体が入場料(入店料)を徴収して、その分、アミューズメント性や付加価値をもっと高めたらどうか、という主張をしている人がいてとても面白いと思った。こうした直営店に加え、イトー・ヨーカドーなどがポジショニングを引き上げてくれば、百貨店は尚更工夫を求められるだろう。

(鈴木会長のご著書は、『商売の原点』、『商売の創造』(いずれも講談社)で、非常に基本的なことを丁寧に説かれている。当たり前とも言える基本こそが一番大事ということ、そしてその基本を確実に繰り返すことがいかに難しいか、ということだろう。先日のTV番組で、ローソンの新浪社長が、これらを愛読なさっており、社員にも(強制的に)読ませたと語っておられた。)
 
 
 
さて、それにしても、アップルのiPodやストアの成功は様々な記事で引き合いに出される。このブログでも、最近、連続登場だ。別にそれを意図しているわけではないが、企業戦略やマーケティング関連の記事を開けば、そこでは必ずといっていいほど触れられている、語られているのだ。
 
一時はウインドウズに圧倒的な大差をつけられたアップルも、最近は優れた事業戦略、製品戦略、マーケティングで目覚しいカムバックを遂げた。そこにはCEOにして創業者であるスティーブン・ジョブズがいることは言うまでもない。彼自身がカムバックだ。氏が、今年6月にスタンフォード大学の卒業式で行った祝辞/講演をご覧になっただろうか。それはそれは素晴らしい内容である。その言葉の中に、カリスマがカリスマたる所以が語られており、我々にも大いなる力をくれる。
  
 
~ 最後までお読みいただき、ありがとうございます ~
 
 
 
 
 
 
 
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Sunday, September 04, 2005

世界のブランド トップ100

 
The 100 Top Brands

~ Business Week, Asian Edition, September 5&12, 2005  p.56-
 
 
これも恒例の、ビジネス・ウイーク誌のブランド・ランキングが発表になった。同誌が、ブランド・コンサルタントのInterbrand社と共同で、ブランドの価値を金額換算してランキングするものだ。(このブログの後半で、今年のトップ100ブランドから、上位20を引いている。) 

そこから見えてくるものは・・・・
 
 

 
<ブランド戦略>
 
・ 上位にランクインしたのは、そのブランドの細部にまで徹底的に気を配り、どの製品においても、世界中どの市場においても、そしてすべての顧客とのありとあらゆる接点において、常にシンプルで統一された強力なアイデンティティを貫いているブランドである。
 
・ この原則を過去数年にわたって効果的に実践してきたのが韓国のサムスンである。数年前まで、幾つものブランドネームを冠してローエンドのコンシューマー電化製品を作っていた同社は、成長のためには強力なアイデンティティが必要だと判断した。そこでブランドをサムスンで統一し、品質改良、技術革新、デザインに資源を投下した。
 
・ サムスン製品群の主要な柱となっているものの中に、携帯電話とTVがある。携帯電話は人々が(外出中)常に持ち運ぶもの、そして家に帰ればその中心にはTVがある。人々は四六時中、サムスン・ブランドと接点を持つ、という狙いだ。過去5年間に、最もブランド価値を伸ばしたのが、このサムスンである。
 
・ 一方、サムスンに追い越されてしまったのがソニーだ。今年のランキングで、前年比最も価値を毀損したブランドとなった。かつてウォークマンで一世を風靡した栄光の企業は、ポータブルMP3プレイヤーの領域ではアップルの独走を許した。一方、映画産業への進出は、エレクトロニクス企業としてのブランドには必ずしもプラスになっていない。
 
 
<コミュニケーション>
 
・ 十数年前と比べ、TVは多チャンネル化が進み、雑誌もターゲットや領域ごとに細分化が進んだ。そこで、Amazon、eBay、Starbucksなど、こうした伝統的な媒体に依存しないブランドも続々育ってきている。歴史ある大企業が彼らの手法を真似し始めている。
 
・ ブランドの中には、顧客との結びつきをより強くするために、そのメッセージをエンタテインメントに仕立て上げて顧客に届ける試みが増えている。例えば、アップル・コンピュータは人気バンド“U2”と組んで、U2スペシャルiPodを発売したり、iPod購入者にU2の楽曲ダウンロードを値引きしたりするオファーを行った。マクドナルドはDestiny’s Childのツアーのスポンサーとなり、彼らの特別動画を見るためには、同社のウエブ・サイトを通らなくてはならない仕組みを作った。ブランドのメッセージがエンタテインメントと融合してきている。
 
・ また、ビデオ・ゲームのコンテンツの中にブランドや製品を登場させたり、歌詞の中に織り込むような例もある。例えばBMWはハリウッドの人気監督ジョン・ウー(『フェイス/オフ』(面白かった!)、『ミッション・インポッシブル2』など)を起用し、BMW車をモチーフとしたショート・フィルムを数本製作した。マーケティング担当者は、広告に見えないように仕立て上げるのが重要、としている。
 
 
<デザイン>
 
・ 同様に有力ブランドが力を注いでいるのが(製品)デザインの領域だ。ここでもサムスンの動向が注目に値する。同社は過去5年間に、世界中のデザイン・スタッフの数を3倍に増員した。モトローラの超薄型携帯電話や日産のムラーノSUVもデザインへの注力が伺える事例だ。
 
(当ブログでは、以前、製品デザインやイノベーションについて、やはりビジネス・ウイーク誌の記事を取り上げた。特に、サムスンが非常に積極的であることを指摘している。⇒ 『韓国企業は製品デザインでもリード?』、『創造性の時代が来た!』)
 
・ 本当にデザインが良いということは、使い勝手も良くなくてはならない。アップルのiPodが好例だ。逆にソニーのウォークマンMP3プレイヤーは評判が良くない。また、デザインは使用した際の音や響きとも関連する。サムスンは、総ての製品において、スイッチをオンするとき、同じトーンの音がするようにしているという。
 
 
<まとめ>
 
・ マスメディアへの露出に大きく依存してブランド・ビルディングを行う時代は過ぎ去った。消費者や利用者の生活の中に、いかにしてブランドを招き入れてもらうことが出来るか、その方法を探し出すことが重要になっている。
 
・ そのために、(エンタテインメントなどを活用した)コミュニケーションとデザインの役割は、ますます重要になってきている。
 
 
 

トップ100ブランド中 上位20ブランド(( )内は、前年の順位)
 
 
1 (1)  Coca-Cola
2 (2)  Microsoft
3 (3)  IBM
4 (4)  GE
5 (5)  Intel
6 (8)  Nokia
7 (6)  Disney
8 (7)  McDonald's
9 (9)  Toyota
10(10) Marlboro
11(11) Merecedes-Benz
12(13) CITI
13(12) Hewlett-Packard
14(14) American Express
15(15) Gilette
16(17) BMW
17(16) Cisco
18(44) Louis Vuitton
19(18) Honda
20(21) Samsung
 
 
サムスンは遂にトップ20入りを果たした。しかも、ブランド価値の上昇率(前年比+19%)でも上位だ。このブログでは何度も韓国企業の躍進、とりわけサムスンの強さを採り上げてきたが、FORTUNE誌最新号(September 5, 2005号)でも、このサムスンの成功について特集している。(”The Secrets of Samusung's Success”) できれば、当ブログの次回にご紹介したい。

日本企業では、流石、トヨタだ。あのメルセデス・ベンツやBMWを抑えて、世界の自動車メーカーとして最上位にランクインした。記事のコメントでは、ハイブリッド車がイメージアップに大きく貢献したとしている。そういえば、ハリウッドのセレブも、アカデミー賞授賞式会場にハイブリッド車”プリウス”で来ていたりしたっけ。(こちらも環境への意識の高さをアピールしてイメージアップを狙った)
 
 
負け組みの筆頭は、残念ながら日本のソニーだった。今年は28位で、これは前年の20位から8ランクダウン。価値にして前年比-16%で最大の減少率。新CEOハワード・ストリンガー氏への期待は大きい。映画産業出身の同氏がソニーをどこへ導いてゆけるのか。
 
 
日本企業は、トヨタ、本田、ソニーに続き、キャノンが35位、任天堂が50位、松下(パナソニック)が78位、日産が85位、の計7社となっている。
 
国別では、アメリカが圧倒的に多いが、以下、ドイツ9社、フランス8社、イギリスとスイスがそれぞれ5社など。韓国企業は、LGが97位に入り、計2社となった。まだBRICsからは無い。
 
他に主な企業では、Nikeが30位、Goldman Sachsが37位、Googleが38位、Appleが41位、Siemensが45位、GUCCIが49位、Yahooは58位、Amazonが66位、Armaniが95位、Starbucksが99位など。
 
 
 
トップ100と言うとかなりの数だが、ランクイン企業の顔ぶれをみると、どれも凄い企業ばかりだ。世界を見渡せばこれだけの企業ですでに100社に達してしまうのかと思う。日本企業は7社で、ちょっと少なく感じる。グローバル市場での日本企業のブランド・ビルディングの遅れを感じるが、他の顔ぶれを見れば仕方ないかとも思わせるものもあることは確かだ。

 

=BOOKSHELFについて=
 
ブランド・ポートフォリオ戦略』を挙げた。これは、ブランド論の大家、カリフォルニア大学バークレー校”ハ-ス”ビジネス・スクール(MBA課程)のデイヴィッド・アーカー教授による最近刊だ。
私もかつてビジネス・スクール留学時代、同教授の『戦略市場経営』の原書、”Strategic Market Management”を、あるマーケティングの授業で利用したが、非常に学ぶところが多かったと記憶している。最も印象に残る一冊である。
 
 
 
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Thursday, August 04, 2005

創造性の時代が来た! (デザイン戦略の重要性)

Get Creative !

~ Business Week, Asian Edition, August 8/15, 2005 p.40


 
「創造性」が企業生き残りの鍵だと言う。今までもそうだったのではないか、と思わないでもないが、実際、P&GやGEは、従来以上に、徹底的に創造性開発・発揮に力を入れているという。ついこの前までシックス・シグマであらゆる領域でぎりぎりまで質を上げることに打ちこんでいた企業人たちは、新しいものの考え方に順応しなくてはならない。

ナレッジ・エコノミーの時代は終わり、クリエイティビティ・エコノミーだという。単純な生産活動のような廉価な労働力に負う仕事だけでなく、品質のように、知識と左脳を用いる、いわばデジタル的な業務さえも、アジアや東欧へと移りつつあって、アメリカ(や先進国)はますます、右脳を用いた創造性に基づく業務に注力せざるを得ない。

ゲームは変わった。創造性、想像力、そして、革新性、がますます求められる。”デザイン戦略”こそが次のキーワードだ・・・
 
 
 

というわけで、誌面では、従来・旧来の製品・サービスが、創造的・革新的な企業のもとでどのようにして生まれ変わったか、幾つか例をひいて紹介している。その中には、①伝統的なコットンのモップがP&Gの手で生まれ変わった例、②従来の店舗型のレンタルDVD/ビデオ店と、Netflix社によるオンラインDVDレンタル(月額プランで月間枚数が決まる)、そして③従来の雑然としたPC及びソフトウエア販売店と、アップル社による洗練されたアップル・ストアの比較、などが挙げられている。(ちなみに日本でのアップル・ストアは、4番目の渋谷店が今日、グランド・オープン)

P&Gのモップの例では、P&GがIDEO社の協力を仰いで、徹底的にユーザーの視点から検討を尽くしたという。IDEO社については、このブログで前回も挙げたが、世界最強のデザイン・ファームとの呼び声が高い。数年前に深澤直人氏が六本木でIDEO Japanの代表をお勤めだった際に、私は新製品開発にあたってのデザインの件でご相談に伺ったことがある。色々と制約もあるので今でもまだ少ないと思うが、最先端医療機器にデザイン(単なる見た目の良さだけでなく、利用者の使い勝手向上や誤使用防止、そして受診する患者の安心感などにも配慮するという目的)を持ち込もうとする画期的な挑戦だった。その際に氏からIDEO流のデザイン企画作業のロードマップについて説明を受けたが、その中心は、まさに徹底的にユーザーの使用経験を洗い直すというようなものだった。まさにこれぞマーケティングだ、という思いを強くした記憶がある。

記事によれば、韓国のサムスン社は、IDEOに社員を送り込んで交流している(いた)ようだ。前回、サムスンが製品デザインの領域でも非常に躍進していることをお伝えしたが、こうした活動がベースにあったというわけだ。

ますます、ユーザーの視点が重要となる、というのが記事の主な論調のようだが、IDEOのような企業でそうした取り組みはまったく新しいものではない。こうした考え方、アプローチが、そうした一部の専門企業だけでなく、あらゆる企業によって、取り込まれざるをえなくなるということだろうか。出来ている企業は既に勝っているということだろう。


関連記事として、58頁からは、ビジネス・スクールもこうした変化に対応し、デザイン・ファームなどと共同プログラムやコース、あるいは授業を始めつつある事例(スタンフォード大学など)も採り上げられている。(”Tomorrow's B-School? It might be a D-School”) 確かにMBAプログラムには、創造性そのものを育むような、あるは大きく刺激するようなクラスはあまりない。(というか、少なくとも私のところには無かった。)


さて、同じくこの創造性特集では、優良企業のシニア・エクゼクティブにアンケートした結果ということで、世界で最も”革新的”と考えられる企業のランキングも掲載されている。日本企業は、2社が選出された。もはやイメージのみか?、とう感じもなきにしもあらずだが。そして、サムスンも入ってきている。


1. Apple
2. 3M
3. Microsoft
GE
5. Sony
6. Dell
7. IBM
8. Google
9. P&G
10. Nokia
11. Virgin
12. Samsung
13. Wal-Mart
14. Toyota
15. Ebay
16. Intel
17. Amazon
18. IDEO
19. Starbucks
20. BMW


このアンケートの得票率というのも出ていて、今週、CEOスティーブ・ジョブズ氏自らが来日してiTunes Music Storeの開業をアピールした首位のアップル社は24.8%で、二位3M社(”Post-It”が有名)の11.8%の実に倍以上となっている。なお、第三位のMicrosoftとGEは、それぞれ8.5%。

 
 
<関連書籍>

今日は、まず、日本のインダストリアルデザインの第一人者、栄九庵憲司氏の本。氏は日本の有力デザイン・ファームであるGKデザインの創始者のお一人で、現在は会長をお勤め。GKデザインは、キッコーマンの醤油さしなどで有名。

インダストリアルデザインが面白い - 第一人者が教える”モノに命を吹き込む”極意』 KAWADE夢新書 栄九庵憲司・著、河出書房新社・刊 700円 


続いてもう一冊は、創造性を鍛える一助となりそうなものから。

コリン・ローズの加速学習法実践テキスト - 「学ぶ力」「考える力」「創造性」を最大限に飛躍させるノウハウ』 コリン・ローズ・著、ダイヤモンド社・刊 1,890円
 
 
 
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こちらもどうぞ
 
英語上達の道 2010/01/188 2010/02/07
 
 
 
 

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Wednesday, July 27, 2005

韓国企業は製品デザインでもリード?

 
The Best Product Design of 2005
 
~ Business Week, Asian Edition, July 04, 2005


ビジネス・ウイーク誌による毎年恒例のデザイン・アウォードが公表された。この中で特筆していいのではないか、と思われることがあった。

プロダクト・デザイン、と言われて連想する国はどこか? デザイン・ファームや国際優良企業のデザイン・スタジオが西海岸に集まるアメリカ? 言わずもがなのイタリア? 芸術の国フランス? 或いは北欧諸国辺り?

これはあくまでも一つの結果でしかないし、他の賞を見たらまた別の結果かもしれないが、このビジネス・ウイークのデザイン・アウォードを2000年以降、今回2005年までの6年間、最も多く受賞している製造業企業は、韓国のサムスンだ。(ちなみに、デザイン・ファームの部門で第一位は、あの深澤直人氏がかつて在籍したIDEOで、他を圧している。)

サムスンは過去6年間、実に19の製品が表彰されている。以下、企業部門には、アップル、IBM、Nike、HP、Philips等が続く。

日本企業は? 過去6年間、6つ以上表彰された企業は16社(うち2つは大学)あるが、その中に日本企業はない。(5個以下は、リストアップされていない。) もちろん、このランキングがすべてではないが、余りにも差が開きすぎではないか?

サムスンをはじめ韓国企業とは、価格競争力だけの企業とか、日本の二番煎じ、などと思っていないか? 実はデザインでも高く認知、評価されているのだ。(サムスンの今年の受賞は、銀2、銅1の計3だった。)

かつて日本がもはや価格競争力で勝負できなくなったときに、これからは技術とデザインだ、と言われた。技術では、まだなんとかトップクラスだ。デザインはどうなのか? 世界に問えるものが出せているのか? 

前々回(『官民一体でリードする韓国IT産業』)に続き、韓国企業の優れた実力を垣間見た特集記事だった。

なお、今年の受賞作の中で日本企業絡みなのは、東芝のラップトップPCをベースにデザイン・ファームが造ったものが一つあって、これは金賞受賞作となっている。(これが、雑誌の表紙にもフィーチャーされている。)

また、デザイン・ファームの作品の中に、チームの一員として、日本人の方のお名前も見受けられた。


今年の表彰作品から幾つか挙げておく。


金賞

SHIFT Bike”   Purdue University

Nike Considered Boot”   Nike


銀賞

Jeep Hurricane”   Daimler Chrysler

iPod Shuffle”   Apple Computer
 
 
銅賞

iXi Bike”   iXi Bicycle

Miniket Camcorder”   Samsung

 

  
iPod関連の書籍。

こだわる大人のiPod - ワンランク上の使いこなし&グッズ』 出雲井亨 日経BP社 ISBN : 482222712X \1,260-  

 
Nike関連の書籍。

スポーツ・ブランド - ナイキは私たちをどう変えたのか?』 松田義幸 中央公論新社 ISBN : 4120033864 \1,995-

  
最後にIDEO関連の書籍を。

発想する会社 - 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』 T.ケリー/J.リットマン・著 早川書房 ISBN : 415208426X \2,625-
 
 
 
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Wednesday, June 08, 2005

利益が生まれるフラワー・ビジネス

A More Profitable Harvest

BUSINESS 2.0 誌、May 2005 (Vol.6, No.4) p.66-


アメリカの生花販売ビジネスで目覚しい成功を収めているというProFlowersの話。この分野では1-800-Flowers.comが有名なのだと思っていた。勿論、名前が示す通り、電話での発注を前提に事業を開始した会社だ。(“1-800”はアメリカのフリーダイヤル) こちら、ProFlowersはネット時代に出現したので、それ故のアドバンテージもあるか。よくある話のようだが、基本を踏まえた事業でヒントにも富んでいると思ったので採り上げてみる・・・

 
 

 
(以下、要旨)

無料のeグリーティングカードを提供しながらお金を儲ける方法は? 簡単至極。一緒に花を売れば良い。

ジャレッド・ポリス(Jared Polis)氏は自身の大人気サイトBlueMountainArts.comに加え、1998年にProFlowersを始めた。そこで彼は、eグリーティングカードのユーザーに対して、無料eカード付きの花を簡単に贈ることのできるサービスを提供することで、それまでは何も支払うことのなかった顧客から収入を得ることに成功した。

以来、ProFlowerは、FTD、1-800-Flowers.comに次いで、全米第三位の生花販売店までになった。しかし特筆すべきは規模ではなく、効率性だ。ProFlowerは1億2900万ドルの売上に対して利益は2000万ドル、すなわち15.2%に達する。これは競合他社の倍以上なのである。

これはムダを削ぎ落とした物流システムによる。生産者から消費者の元に届く時間が従来の半分程度でコストも低い。こうした効率性は鮮度の良い花を安く届けることを可能にした。(そして同じシステムを用いて肉や果物等々を別のウエブサイトを通じて販売し始めた。)

こうして、世界で最も急速に成長するこの生花店は、昨年だけで新規顧客を100万人も獲得した。


①種まき

ポリス氏は本業のeグリーティングカードに便乗してキャッシュを生むことの出来る事業を探していた。そこで目にとめたのが190億ドルの規模を持つ生花販売業界の非効率さだった。彼は生産者と消費者を直接結びつける流通網を試みた。手始めに、あるバラの生産者と契約し、500ダースのバラを確保、シンプルな発注システムをBlue Mountainに組み込んで、1998年のヴァレンタインデイにバナーを貼った。バラは間もなく完売し、システムが機能することを証明した。


②仲介者を外す

基本的な仕組みが出来上がり、次に物流システムの強化に着手した。競合するFTDや1-800-Flowers.comでは、生産者からディストリビューターやホールセーラー、地元の生花店らの手を介して消費者の手元に渡るため、8~12日が経過してしまう。ProFlowerでは、各地の生産者自体をディストリビューターとして取り込むシステムを作り出した。生産者は受注から、メッセージカードの添付に至るまですべてをこなす。


③ 客の手に届くまで

国外で栽培された花は、ProFlower本体がマイアミで運営する冷蔵物流センターに一旦送られる。そこで従業員が品質を確認した後、全米に12箇所ある地域物流センターへと送られ、そこから宅配便で消費者へ配送される。こうした効率的な運営がコストを抑え、競合に比べ消費者への価格を30~50%低く抑えることが出来ている。2ダースで30ドルという廉価のバラはProFlowerにとっての最も重要な商品の一つである。


④ 資源の効率的活用

ProFlowerはコスト削減に極めて熱心である。消費者への配達を宅配便業者(FedExやUPS)に外注していることや、リアルタイムで販売をトラッキングして在庫管理に活かす独自の需要管理システムなどもその例である。また比較的大規模な生産者と提携することで安定的な供給の確保に努めている。そして全部で140人という少ない従業員の一人当たり売上は年間92万ドルに達し、これは1-800-Flowersのおよそ3倍に当たる。


⑤ 成功の薫り

花を発注した顧客は、ProFlowerからeメールを受け取り、花が現在どの段階にあるのか逐一報告を受ける。迅速に配送される花は、贈られた人の元でより長く咲き続ける。細かい配慮が顧客のローヤルティを高め、リピート・オーダーは昨年の売上の実に半分以上に達した。"

(要旨、終)


世の中、まだ非効率が当たり前のこととして放置されていることがあるのではないか、と考え直してみたくなる。

ポリス氏は現在ではProFlowersの事業を創業当時からの盟友のビル・シュトラウス氏(Bill Strauss、現CEO)に委ねている。また、ウエブサイトをざっと見た限りでは、ProFlowersとBlueMountainArts.comの関係性や連動性は正直よく解らなかった。元々シナジー効果を狙ったのが発端だったが、ProFlowerのビジネスモデルが確立するにつれ、徐々に独立性を高めていったようだ。

なお、ProFlowersはブランド名で、これを展開する企業は、Provide Commerce 社で、2003年12月に株式公開もしている。傘下にて同じビジネスモデルを用い、別ブランドで青果と精肉を扱っている。

またポリス氏は地元(?)コロラドで基金(Jared Polis Foundation)を設け、若者の教育や地域活動に貢献されているようだ。
 
 
 
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Thursday, May 05, 2005

”ブログがあなたのビジネスを変える”

"Blogs will change your business"   ~ Business Week誌 Asian Edition, May 2, 2005

もう先週号になってしまったが、ブログに関わる記事だったので、ちょっと長いが概略を。ブログをやっている人にはそれほど目新しさはないかもしれないが、ブログに縁の無い人、これからブログ(私もこれに近いですが)、という人には有益かも・・・

   
 

<概略>

”ブログの爆発的な成長は、インターネットの出現そのものに匹敵するほど重要な出来事である。既に900万のブログが存在し、毎日4万ずつのペースで増えつつある。仮にその0.1%でもあなたのビジネスに関係あるとすれば、それは毎日40ずつ増えてることになる。いまやブログこそがインターネット発展の原動力であり、大企業もこれを無視することが出来ない。

RSS(Really Simple Syndication)やpodcastingのような技術が、ブログの発展に拍車をかける。こうした技術は、自分の関心のあるテーマや好みに従って、該当するブログや、その中の該当記事、ニュース、または音楽ファイルに至るまでを集めて来てくれるので、ユーザーはもはや自らサーフィンして探しに出る必要がない。

ブログ同士はリンクし合い、コメントし合って結びつきグローバル・コミュニケーションを創り出す。世界最大のコーヒーテーブルに様々な分野の専門家やマニアが寄り合ってディスカッションをしているようなものだ。

ブログは従来のウエブとは全く別のウエブだとする見方もある。従来のインターネットはドキュメントの集積だったが、ブログは時間というものと密接に結びついているからだ。一つ一つのポスティングが、時間の経過と切り離せないということだ。もし企業が膨大な数のブログを追跡すれば、大衆が何を考えているのか、時々刻々と知ることも可能になる。

本業が不振にあえぐGMのように、顧客の声を吸い上げるマーケティング・ツールとして用いだす企業も増えてきた。GMではヴァイス・チェアマン、B.ルッツ氏のブログ(FastLane Blog)が代表的である。各社のマーケターや宣伝広告企業はブログをキャンペーンに利用しようとしている。

今はまだ大部分のブログは運営する個人の情熱で維持されている。ブログ上の広告はそうした多くのブロガーの小遣い稼ぎだ。人気ブログでは月に2,500ドルも広告料を取れるようなところもあるが、広告産業全体の規模からすれば誤差の範囲だ。大企業は徐々に拡大するブログ広告の領域にも影響力を及ぼそうと動き始めている。個々のブログはニッチだがターゲットは明確だ。Yahoo!やMicrosoft、そしてメディアではNew York Timesなども既に巨大な投資を始めた。

ブログの多くはまだまだ稚拙なものだが、巨大な数がパワーとなって、マスメディアの形を変えつつある。発行者と大衆との間にあった溝が埋まり、大衆によるメディアが出現しつつある。メディアの形そのものがブログのようになってゆき、これを制するか否かで優勝劣敗が分かれるだろう。

ブロガー達は従来の伝統的なメディアをMSM(mainstream media)と呼んで、その誤りやミスの指摘を楽しんでいる。MSMもブログを身につける必要がある。何故なら、ブログあるいはブロガーが、コンピューターを持った目撃者そのものだからだ。彼らはMSMにとってライヴァルであり、同時に情報源にもなる。昨年12月の津波ではこのブログ・レポーター達が真価を発揮した。彼らはいち早く情報発信し、MSNBCはウエブ上でそうした市民ジャーナリストに大きなスペースを与えた。また、韓国のOhmyNewsが関心を集めている。この会社では、数千の市民ジャーナリストからの情報に基づいて50人のスタッフが記事を纏め、それを集めて発信している。

従来の記事は、社内でアイデアをまとめ、情報を集め、議論して作る。専門家のインタビューの際も、事前に情報漏れせぬように秘密主義が徹底される。すべて閉ざされた世界での出来事だ。だがブログは違う。オープンな世界、オープン・ディスカッションなのだ。こうして世界中に市民ジャーナリストが生まれ、MSMがコントロールしうる情報の比率は、全人類の持つ情報量の中で、かつてなく小さくなる。この世界での成功の尺度は、最終的な記事の出来映えではない。最も優れたディスカッションを導けたか否かで勝者が決まる。 Business Week誌でも、Blogspotting.net というブログを立ち上げた。”

Linuxがオープンソースとして世界中から知恵を集めたのと同様に、あらゆる意思決定や合意形成は、その質をより優れたものにしようとすればするほど、優れた意見を集めるためのオープン・ディスカッションを促し(求め)、その上でブログが大きな役割を果たすことになるのだろうか。

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