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Thursday, May 10, 2007

任天堂”Wii”、成功への道のり

How the Wii is creaming the competition"
 
~ BUSINESS 2.0 Magazine Web Site / CNN Money.com
 
 
任天堂はゲーム機ビジネスで、ソニー、マイクロソフトの後塵を拝し、長く低迷の中にあったわけですが、ここ数年の間に、DS、Wiiというヒット作を連発して目覚しい復活を遂げてきています。前回の記事でも触れたように、「革新的な企業」ランキングに登場してきましたし、『スーパーマリオブラザーズ』、『ドンキーコング』、『ゼルダの伝説』といったヒット作品を生み出した同社のカリスマ、宮本茂氏は、先ごろTIME誌が選定した世界で最も影響力のある100人の中に選ばれました。また、同社の岩田聡社長も、以前から注目の若手経営者として脚光を浴びています。
 
この記事は、その任天堂が、どのようにしてDS、Wiiといったヒット作を世に送り出したかについて取材したものです。Wiiが出て既に時間も経ちましたが、今後、ビジネス書やビジネス・スクールのマーケティングのケースにもとり上げられそうなトピックです。かいつまんで、内容をご紹介しましょう。
 
 



 
 

任天堂がこの復活を遂げられた大きな要因の一つは、最大、最強の競合であるソニー、マイクロソフトと同じ土俵で真っ向から闘うことを避けることを選んだからですね。岩田氏、宮本氏ら同社の経営トップは、このままではゲーム市場は一向に広がらないと考え、従来のコアなゲーマー層以外へと利用者を広げられるような製品の提案を考えました。そのために、特に、長い間手付かずにしておかれたゲーム・コントローラーの形状や機能をどんなものにしてゆくかに、徹底的にこだわったようです。
 
こうした考えのもと、任天堂が5年前に最初に手がけ始めたのが、”DS”でした。幅広い層の人たちにとって使いやすいものになるように、従来のボタンによるコントロールだけでなく、タッチペンや音声認識なども盛り込みました。また、同じ理由で、永年親しまれてきた Game Boy の名とも訣別したのでした。
 
その間、宮本氏らは、”たまごっち”のようなペット育成シミュレーションゲーム、Nintendogs / ニンテンドッグ を導入し、これがヒットして女性層を開拓、さらに、Brain Age / 脳を鍛える大人のDSトレーニング が、ベビー・ブーマー層から一部シニア層まで取り込むことに成功し、DSはヒット商品となったのです。
 
 
この成功に続いて、任天堂の経営陣は、ワイアレスで、利用者の動きに合わせて反応するコントローラー ~ 革命的なユーザー・インターフェース ~ を採用したゲーム機を創り上げたいと考えていました。従来のコントローラーの発想を超越した革新的なアイデアでしたが、同時にここで考えたことは、強力なチップを用いて、画像の精細度、美しさをまでをも追い求めるかどうかということでした。結論は、既存のチップを用いることにしました。ソニーやマイクロソフトが覇を競うその同じディメンジョンからは離れて、一線を画すことにしたのです。このようにして、コード・ネーム Revolution (革命)と名づけられたプロジェクトが始まりました。
 
経営陣は、幅広いユーザー層を想定した製品の使い勝手のために、サイズやデザインのシンプルさに徹底的にこだわって議論を重ねたようです。
 
こうして出来上がった製品は、市場調査にかけられましたが、そこで得られた反応は、期待通りのもので、新しく取り込みたいと願った層も、容易に慣れて、楽しめそうだとの強い感触を得ました。
 
 
上市に際しては、テレビCM予算の70%を、25~49歳の層がよく見る番組に投下したそうです。また、高齢者が好む雑誌(Reader's Digestなど)にも広告を出稿。従来の任天堂のコア・ユーザー/ゲーマーには、インターネットによるアプローチを用いました。
 
さらに特筆すべきなのは、キラー・アプリケーションとなることが期待された”Wii Sports”を、$250の本体1台購入に対して無料で付けたことです。実はWiiは、本体1台あたり$50ほどの粗利を生んでいたので、このコストもそこでカバーすることだ出来たのです。そして、このことも、実は経営陣が最初から目指したもう一つの”目標”でした。
 
 
こうした結果、Wiiは大ヒット商品の仲間入りをし、今も(彼の地でも)品薄状態が継続しているようです。
 
 
 
任天堂は、ゲーム人口の拡大を考え、新たな層に訴求するための商品開発を始めました。こうすることで、”ゲーム”と一括りにしてしまえばそれまでですが、ソニー、マイクロソフトとの真っ向勝負を避け、異なった土俵で闘うことを選ぶことになりました。
 
しかも、従来、ゲーム機本体では赤字からせいぜいトントンで、ゲーム・ソフトのヒットに収益を依存するという業界のビジネス・モデルにも別れを告げていたわけです。
 
なぜ、あの会社は儲かるのか?』(山田英夫、山根節 日本経済新聞社)によれば、例えば、ソニーはプレイステーション2の本体1台を売るごとに、粗損が1~2万円程度出ると言われていたそうです。恐らくかつての任天堂も同様だったでしょう。それが、土俵を変えることによって、本体からも利益を生み出せるビジネス・モデルを構築していたわけですね。或いは、土俵を変えたからこそ、新しいビジネス・モデルを手に入れられたのでしょう。
 
 
今回、任天堂の岩田社長のインタビューをウェブ上で読みました。どんな風にお考えになってきたかがよく解りました。非常に明確なビジョンをお持ちになった、優れたリーダーでいらっしゃいますね。
 
 
さて、その任天堂さん、次の一手はどんなものになるんでしょうか? (その前に、長引く人気商品の品薄状態という事態を、どのように着地させるのかも見ものではないかと思っていますが。。。) 楽しみですね。
 
 

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